2012年以降の書き足し

 今読むと、下記の反原発はあまりにのどかすぎると感じられる。3.11の震災後、このページを消してしまおうかと何度か思ったのだが、そうすると反原発ではなくなったように見られそうなので、いちおう残しておいた。残すだけでなく、書き足すとか改訂するとかすればよかったのだが、それもしなかった。なぜしなかったのかというと、ようするに怠慢だったということなのだが、ああいう状況では何も気軽に書けないような気がして、手が出なかった。(苦しい言い訳である)

 ただ、原発推進派のいうことは、この文章が書かれた当時から変わっていない。原発がなくなる=電気がなくなる、と話をすり替えて、だから原発が必要だと主張する。2012年の夏、電気が足りなくなるとさんざんおどして2基の原発を再稼動させたが、実際は原発なしでも電気が足りなくなることはなかった。なんのことはない、ちょっと節電すればよかっただけなのだ。

 電気が足りないわけではないことがわかってしまって、原発推進派は電気代のことを言い始めた。原発がなくなると電気代が高くなり、工業は衰退、産業は空洞化し、うんぬん。でもまあ考えてみてほしい。もともと、中部電力は関西電力などより原発の割合ははるかに小さかった。では中部電力は電気代が高く、中部地区は産業が空洞化しているかといえば、もちろんそんなことはない。東海地区は世界有数の工業地帯である。浜岡原発が止まって、中部電力は百億単位の赤字を出しているが、電力の売り上げは兆の単位である。値上げで埋めるにしてもほんの少しでいいし、東京電力で明らかになったようなめちゃくちゃな金の使い方をしているなら、経営努力で簡単に吸収できるだろう。

 
ホームページのサーバーが壊れて替わったこともあり(あまり関係ないですが、少し気分が変わったので)、これからは時々書き足していこうと思います。


原子力発電所がなくなるといいが

(もうだいぶ昔に書いたので、そろそろこのページも何とかしないといけないのだが・・・)
とりあえず電気を使わなければいいのです
10年前を思い出してください。20歳の人は小学校の高学年のころ、30歳の人は大学生か専門学校生か就職して間もないころ、40歳の人はようするに30歳のころです。そのころはまだパソコンはめずらしかったかもしれませんが、それでも大学生や物好きな高校生のあいだではすでにはやり始めていました。テレビは40型なんていう巨大な画面のはありませんでしたが、でもだいたい一家に2台ぐらいはあったんじゃないでしょうか。洗濯機は全自動、冷蔵庫は冷凍庫つき、どの家にもクーラーはついてました。あのころ、私たちは貧しかったでしょうか?もっと電化製品がたくさんほしい、もっと電気をたくさん使いたい、と感じていたでしょうか?電力消費量を増やさないと私たちは不幸になるなんて、そんなふうに考えてた人はいたでしょうか?
10年前、日本の電力消費量は現在の約7割の量でした。現在の総発電量のうち約3割が原子力発電によるものですから、原発の電力をまったく使わないとしたら、だいたい10年前と同じくらいの消費電力量になります。ということは、原発が一基もなくても、あのころとおなじくらい電化製品を使えるということです。それに、だいたい技術は何がしか進歩してますから、同じ消費電力なら今のほうがより多くの仕事ができるはずです。たとえば、同じ電力なら10年前より大きな冷蔵庫を働かせることができるでしょう。ですから、実質的にはあの頃よりもっと電化製品をたくさん使えます。 つまり、原発を止めても、私たちは不幸にはならないのです。

もっとも、電気を使っていても原発はなくせますが
電気の総消費量だけを考えるなら、10年前に戻らなくても、いまのままの量でも、原発なしでやっていけます。ご存じの方も多いと思いますが、いま火力発電所は平均すれば半分ぐらいは休んでいるのです。この稼働率を上げれば原発の電力分をまかなうことは十分できます。現在のままの電気の使い方で原発がないと困るのは、電力消費がピークになる真夏の暑い盛りの日中数時間だけです。その期間の消費電力を減らすピークカットさえできれば問題なしです。その方法はいくつかあるでしょうが、個人的に一番いいと思うのは、暑いときは工場も会社も全部休みにする、という方法ですね。
ただ、原発を止めてその分石油や石炭を燃やすというのも、温暖化や酸性雨を考えると気分がよくありません。とりあえず代替エネルギーとして太陽電池を考えて見ましょう。太陽電池はコストが高い、というのは本当ですが、でも原発も本当は高いのです。日本政府はこれまで30年間で30兆円の予算を原子力開発に使ってきたそうです。電力会社が使ったおかねは入ってません。税金だけで毎年1兆円。ところで、いま太陽電池はピーク発電能力1kWので100万円ぐらいです。ということは、1兆円あると100万kW分の太陽電池が買えます。これはだいたい原子力発電所一基分の発電能力に相当します。もちろん太陽電池の場合は晴れた昼間以外は発電能力が落ちますから、100万kWの原発と同じというわけにはいきません。でもかなりの発電能力であることは確かです。それに、現状で原発がどうしても必要になる真夏の日中は、太陽電池もフルパワーで発電できます。ですから、100万kWの太陽電池があれば、原発を一基なくしてもだいじょうぶです。つまり、原発に使ってきた税金をこの先太陽電池に使っていけば、毎年一基つづ原発をなくしていくことができるのです。

2012年の注1:ここ10年ぐらいは電力消費量はあまり変わっていないので、上の「10年前」は20年前と言うべきでしょう。
2012年の注2:今、太陽電池は安いものだと(安売りの店を探すと)1kWあたり35万円ぐらいで買える。30兆あったら、はたしてどれだけ買えるか、計算してみてください・・・

最初のページに戻る